白山神社(仙台市)概要: 白山神社は仙台市若林区木ノ下3丁目に鎮座している神社で、創建は年代は不詳。往古から当地の地主神として信仰され境内には18伽藍が軒を連ね隆盛したそうです。奈良時代の天平13年(741)に陸奥国分寺が開山すると国分寺の鎮守になったと思われます。
奈良、平安と時代が下がるにつれて徐々に荒廃し、文治5年(1189)の源頼朝による奥州征伐の際、戦火で陸奥国分寺共に焼失しました。中世に入ると当地の領主となった国分氏が氏神として再興し、社殿の再建や例祭の復興が成されました。
江戸時代に入り伊達政宗が仙台城を築城し仙台を開府すると、伊達家は陸奥国分寺と白山神社を庇護、初代藩主伊達政宗は薬師堂や仁王門等を再建し、2代藩主伊達忠宗は寛永17年(1640)に白山神社の社殿を再建しています。明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏教色が一掃され、明治4年(1871)に郷社に列しています。
現在の白山神社本殿は寛永17年(1640)に再建された当時のもので、一間社流造、こけら葺、外壁は真壁造り板張り、仙台藩が造営した江戸時代初期の建築を伝える建物として貴重な事から昭和30年(1955)に宮城県指定有形文化財に指定されています。
例祭で奉納される神楽は伊達政宗が滅ぼした国分氏の霊を供養する為に始められたもので、古式を伝える神事として貴重な事から名称「木ノ下白山神社丹波神楽」として平成8年(1996)に仙台市登録無形民俗文化財に登録されています。
木ノ下白山神社丹波神楽で利用される舞楽面である「陵王」、「納曽利」は室町時代末期から江戸時代初期頃に制作されたもので、仙台市唯一の舞楽に使用され面として貴重な事から平成14年(2002)に仙台市指定有形文化財(彫刻)に指定されています。白山神社拝殿は木造平屋建て、切妻、鉄板葺き、平入、桁行3間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造板張り。祭神:伊弉諾尊、伊弉冉尊、菊理媛尊。
白山神社:上空画像
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