華足寺

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概要・歴史・観光・見所

華足寺(登米市)概要: 竹峰山大悲院華足寺は宮城県登米市東和町米川字小山下に境内を構えている真言宗智山派の寺院です。華足寺の創建は大同2年(807)、坂上田村麻呂が東夷東征で当地を訪れた際、度重なる戦乱で大きな犠牲を出した事から、戦没者の霊と戦死した愛馬(郷黒)を慰める為に馬頭観音(馬頭明王)を勧請し、愛馬を埋めた塚の上に御堂を造営したのが始まりとされます。

馬頭観音を本尊として祭る寺院としては日本最古とされ、以来、牛馬の守護神としてそれらに従事する者や関係者から信仰の対象となり奥州七観音の1つにも数えられました(現在は畜産業者や競馬関係者などから信仰され、ペット供養などが行われています)。

歴代領主からも帰依され、平安時代には奥州藤原家が庇護、大永4年(1524)には葛西晴重が奥之院を寄進、江戸時代には入ると仙台藩(宮城県仙台市:本城−仙台城)から「御召出」の格式を得ています。

さらに、寛文元年(1661)には4代藩主伊達綱村から寺領773文(約8石)が寄進、天明6年(1787)には8代藩主伊達斉村が馬頭観音堂を寄進、寛政11年(1799)には9代藩主伊達周宗が山門(楼門)を寄進しています。

華足寺の境内全域は風致に富み歴史的にも貴重な事から昭和54年(1979)に宮城県自然環境保全地域に指定されています。

奥州三十三観音霊場第15番札所(札所本尊:馬頭観世音菩薩・御詠歌:路み迷う 麓のみちは 多けれど 御法の鐘の 華の山寺)。奥州七観音(鱒渕観音)。山号:竹峰山。院号:大悲院。寺号:華足寺。宗派:真言宗智山派。本尊:馬頭観世音菩薩。

華足寺馬頭観音堂概要: 華足寺馬頭観音堂(本堂)は案内板によると「当山は征夷代将軍坂上田村麻呂が大同2年(807)敵、味方の戦争犠牲者の迷魂を鎮撫する為に建立されました。本尊は馬頭観世音でございます。動物燐憫の守護仏です。馬の霊場としては日本最古と伝えられています。古には三十数ヶ寺の末寺を有した名刹で興亡衰盛は一再ではなく戦国時代元亀元年正月戦禍により一山灰塵に帰すと言った如き不慮の祝融が其の後二度程破ったと記録されている現在の本堂は八代藩主伊達斉村公の寄進に依り天明6年(1787年)に再建されました重厚にして壮厳美豊かな芸術的建築物として有名広く賞賛されて居ります。」とあります。

華足寺観音堂(本堂)は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、平入、桁行3間、梁間3間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り板張り、向拝木鼻には龍の彫刻、外壁には数多くの奉納札や奉納額が掲げられ、三方浜縁、高欄付き。華足寺馬頭観音堂は江戸時代後期の御堂建築の遺構として貴重な事から平成元年(1988)に登米市(旧東和町)指定文化財に指定されています。

華足寺客殿概要: 華足寺客殿は案内板によると「この客殿は木造平屋建桁行八間、梁行五間、屋根は入母屋造り、色瓦葺(もと茅葺)、石場建、玄関の間口は二間、奥行は五尺ほどある。建築年代は不明であるが山門や庫裏よりも古い年代のものと思われる。特徴としては現在は畳が敷いてあるが濡縁を配置してある。濡縁の端にある戸溝が三本ある。玄関の位置が正面ではなく端に設けてある。又、床面の向きが通常のものとは逆向きとなっている。天井が竿天井であること、近隣では見られない欄間の造りとなっていることなどがあげられる。江戸中期、18世紀初頭を降らない密教系の本格的客殿遺構であり当時の建築様式を知る上でも貴重な遺構例である。」とあります。

華足寺客殿は江戸時代中期の客殿建築の遺構として貴重な事から平成4年(1991)に宮城県指定有形文化財に指定されています。

華足寺山門概要: 華足寺山門(楼門)は案内板によると「華足寺の山門は、寛政11年(1799年)伊達9代藩主周宗公の祈願によって作られ2百年近くの歳月を経ている。屋根は前に数回修理され更に昭和51年に全部ふき替えしたがその他はもとのままの姿であり、棟の魔除けの龍は対になっている。又、右には増長天、左には多聞天の四天王二神を祀り、二階には十二支の守り本尊八神像を安置している。上層、下層とも瓦葺屋根であること、上層、下層の間口、奥行の差が大きいことなど通常の山門の印象とは異なり奇抜な意匠といえる。」とあります。

華足寺山門は入母屋、本瓦葺、三間一戸、桁行3間、梁間2間、二重楼門、外壁は真壁造り板張り、上層部四周高欄付き、江戸時代後期の二重楼門の遺構として貴重な事から平成4年(1991)に宮城県有形文化財に指定されています。

華足寺:上空画像

八脚門を簡単に説明した動画

【 参考:文献等 】
・ ふるさとの文化遺産-郷土資料辞典4[宮城県]-株式会社人文社
・ 現地案内板-東和町
・ 現地案内板(本堂・奥之院・山門・客殿)-竹峰山大悲院華足寺


華足寺:ストリートビュー

華足寺:観音堂・山門・写真

華足寺境内に設けられた二重楼門
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華足寺馬頭観音堂を正面から見た画像 華足寺馬頭観音堂越に見える奥之院 華足寺心字池奥に見える客殿 華足寺境内高台から見下ろした客殿
華足寺客殿右斜めから撮影した画像 華足寺二重楼門の上層部アップ写真 華足寺に奉納された牛の像 華足寺境内に設けられた鐘楼と梵鐘
華足寺参道石段から見上げた観音堂と石燈篭 華足寺奥之院とそれに続く地蔵堂と納骨堂 華足寺奥之院の堂宇(一間社流造) 華足寺子安観音堂


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