志波彦神社

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概要・歴史・観光・見所

志波彦神社(塩釜市)概要: 志波彦神社は宮城県塩竃市一森山に鎮座している神社で、案内板によると「志波彦神社は塩竃の神に協力された神と伝えられ、国土開発・産業復興・農耕守護の神ととして信仰されている。当神社はもと、仙台市岩切冠川(七北田川)の畔に鎮座され、陸奥国延喜式内社百座のうち名神大社として、朝廷の厚い信仰があった。

明治4年5月国幣中社に列格されたが、境内も狭く満足な祭典を行うことが不可能な為に、明治天皇の御思召により、明治7年12月24日に塩竃神社の別宮に遷し祀られた。さらに、昭和7年国費を以って御造営することになり、昭和9年現社地に工事を起し、明治、大正、昭和3代にわたる神社建築の粋を集め竣工し、昭和13年9月に遷座した。

本殿、拝殿何れも朱漆塗り、彫刻部分は極彩色漆塗りで、昭和38年塩竃市の文化財に指定された。 塩竃市教育委員会」 とあります。

志波彦神社の創建は不詳ですが、孝昭天皇(第5代天皇・在位:紀元前475年〜紀元前393年)の御代に旧宮城郡岩切村の冠川の辺(仙台市宮城野区岩切)に勧請されたのが始まりとされます。

諸説ありますが、祭神である志波彦神は鹽竃の神に従った塩土老翁神の事で志波姫神社(名神大社: 陸奥国 栗原郡鎮座)の祭神と同神とも云われています(陸奥国には志波を冠にする地名や神社が点在する事から地主神的な存在だったとも)。

記録的な初見は天智天皇3年(670)に圭田を奉納した事が記載されていた事から少なくと奈良時代には既に存在し、格式も高く「三大実録」によると貞観元年(859)正月27日従四位下に列し(正五位下勲四等志波彦神)、延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳では名神大社として記載されています。

陸奥国の国府が置かれた多賀城に近く、交通の要衝(東山道と多賀城に至る官道との結束点)に鎮座し格式が高かった事から重要視されていた事が窺え、寛仁元年(1017)には、御一代一度の奉幣使を遣わされています。

歴代領主からも崇敬庇護され伊沢氏や留守氏から社領の寄進や社殿の造営などが行われたと思われますが、往時の繁栄には至らず、戦国時代の天正年間(1573〜1592年)の兵火により社殿や記録、社宝が焼失後はさらに衰微しました。

志波彦神社は江戸時代に入ると仙台藩(藩庁:仙台城)の藩主伊達家によって庇護され、慶長12年(1607)に社殿が再建、延宝3年(1675)に再興した際には社殿(現在の冠川神社)が1間社程度と縮小、牛頭天王社(現在の八坂神社)に合祀され、延享5年(1748)は正一位の格式を得ています。

当初は宮城郡岩切村(現在の宮城県仙台市岩切)の冠川の畔に鎮座していましたが、明治時代初頭に発令された神仏分離令を経て、明治4年(1871)に国幣中社に列格すると、境内が狭く社殿も小規模だった為より広い境内を求める機運が高まり、明治7年(1874)に塩釜神社別宮殿角に奉遷し、昭和13年(1938)に現在地に社殿を造営し遷座しました(旧社殿は冠川神社の社殿となっています)。祭神:志波彦神。

【 志波彦神社の社殿 】-志波彦神社の社殿は昭和13年(1938)に造営されたもので、神門(神社山門)は切妻、銅板葺き、三間一戸、四脚門、袖壁(潜り戸付)付、木部朱塗り。

拝殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、平入、桁行5間、張間3間、正面3間向拝付き、外壁は真壁造り板張り、木部朱塗り。本殿は流造、檜皮葺、木部朱塗り。

志波彦神社の社殿は昭和初期に建てられた貴重な存在で本殿(1宇)、幣殿(1宇)、廻廊(2宇)、本殿周囲透構(1構)、渡殿(1宇)、拝殿(1宇)、神門(1宇)、本殿左右神塀(1構)、本殿東西透塀(1構)、本殿東西透塀(1構)、本殿周囲玉垣(1構)、手水舎(1宇)、大島居(1基)が昭和38年(1963)に塩釜市指定有形文化財に指定されています。

志波彦神社の文化財
・ 本殿-昭和13年,三間社流造,桧皮葺,外壁朱黒漆塗,極彩色,塩釜市指定文化財
・ 本殿付属-昭和13年,周囲透構,左右神塀,東西透塀,玉垣,塩釜市指定文化財
・ 拝殿-昭和13年,入母屋,銅板葺,平入,桁行5間,梁間3間,3間向拝,市指定文化財
・ 神門-昭和13年,切妻,銅板葺,三間一戸,四脚門,両側袖壁潜戸付,市指定文化財
・ 手水舎-昭和13年,切妻,銅板葺,4本柱吹放,朱黒漆塗,塩釜市指定文化財
・ その他-昭和13年,弊殿・回廊・渡殿・大島居,塩釜市指定文化財

志波彦神社:上空画像

【 参考:サイト 】
公式ホームページ
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-塩釜市教育委員会
・ 現地案内板(由緒)-志波彦神社


志波彦神社:ストリートビュー

志波彦神社:社殿・境内・写真

志波彦神社境内正面に設けられた朱色の大鳥居
[ 付近地図: 宮城県塩釜市一森山 ]・[ 宮城県: 神社建築 ]
志波彦神社神門とその前に設置されている石燈篭 志波彦神社神門から見た境内 志波彦神社拝殿正面とその前の銅製燈篭と石造狛犬 志波彦神社植栽越に見える本殿
志波彦神社参道石段から見上げた手水舎 志波彦神社神門と石燈篭 志波彦神社石段越に見える神門 志波彦神社銅製燈篭越に見える拝殿


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