萬蔵稲荷神社(白石市)概要: 萬蔵稲荷神社は宮城県白石市小原字馬頭山に境内を構える神社で、七ヶ宿街道(羽州街道)の宿場町である上戸沢宿を過ぎた街道沿いに鎮座しています。
萬蔵稲荷神社の創建は江戸時代後期の天明5年(1785)頃とされ、次ぎのような伝説が残っています。「小坂峠付近に万蔵と呼ばれる馬方が住んでいました。万蔵は博奕が好きであまり信心深い人ではありませんでしたが、ある夜、峠の差し掛かった所で旅疲れた1人の老人と出会い、自分の家に招くと精一杯のもてなしをしました。
次ぎ朝、老人は姿を消していましたが、再び峠に戻ると元気になった老人の姿があり、自らを稲荷神社の化身と名乗り、昨日のお礼として三頭の馬を与え下さりました。万蔵はその馬を資金にして稲荷神社を建立して、自らは出羽三山(山形県鶴岡市)で修行をし大阿闇梨金剛院祐観の院号を受け、最期には即身仏となったと言い伝わっています」。
元々は賀良明貴稲荷と称していましたが、明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏教色を一掃し、現在の社号である「萬蔵稲荷神社」に改め、明治42年(1909)に村社に列しています。山間の小さな神社ですが数百mも続く参道には150基を越える鳥居が奉納され周囲の信仰の広がりを感じる事が出来ます。
又、社殿には古川亀吉が奉納した「黒森風穴之概景」の絵馬が掲げられ、当時の氷室の様子を伝える貴重な民俗資料として貴重な存在です。萬蔵稲荷神社拝殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、妻入り、間口3間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造白漆喰仕上げ。祭神:宇迦能魂命。
萬蔵稲荷神社:上空画像
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