氷室(白石市)概要: 氷室は明治から大正にかけて造られた、自然の冷蔵庫です。明治時代、小原地区一帯は非常に養蚕業が盛んな地域でしたが、気温の関係で蚕種(蚕の卵)を作る事が出来ず福島県から入手していました。
明治17年(1884)に風穴が見つかると、三方を石組みしその上に簡易な小屋を築き、そこで蚕種(蚕の卵)を保存する事に成功します。風穴は岩の間から出てくる風の穴の事で、材木岩などに見られる安山岩は比較的隙間が出来易く、空気が通り易い条件を持っています。岩は温まり難く、冷め難い為、そこを通る風は1年を通して温度差が少なくなります。
氷室の大きさは様々ですが奥行きが7.2m、高さが1.9m程度あり、人が立って作業出来る程度は確保されていました。当時、全国の風穴で氷室は造られましたが、大正時代に入ると生糸が大暴落し、養蚕業は衰退していきました。現在の氷室は萬蔵稲荷神社に奉納された絵馬を参考にして復元されたもので当時の雰囲気が感じられます。
氷室:上空画像
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