旧登米警察署庁舎概要: 旧登米警察署庁舎は宮城県登米市登米町寺池中町に位置し、案内板によると「明治22年竣工した建物で明治の洋風事務所建築としては極めて珍しく、警察庁舎としては県内唯一のものである。木造2階建、下見板張り、ペンキ塗、寄棟の瓦葺である。突出した玄関は上下共吹抜けて、2階のバルコニーは遠見台ともいわれ、屋根はペデメントで鬼瓦がのり、白壁には今も金色の警察紋章が燦然と輝いてる。柱には堅溝壇彫りをつけ柱頭はアイオニックオーダーで飾っている。設計者は国指定重要文化財旧登米高等尋常小学校校舎と同じ宮城県技師山添喜三郎氏で、総体の調和もよく、手法堅実、奇をてらわない建物である。 日本宝くじ協会」 とあります。
補足すると2階バルコニー上の屋根は大屋根の寄棟と異なり切妻と妻面を向ける事で正面性を強調しています。バルコニーの手摺の意匠も円を採用するなど印象的で、縦長の上げ下げ窓を採用するなど洋風建築の要素を積極的に取り入れている事がわかります。
旧登米警察署庁舎は明治時代の庁舎建築の遺構として貴重な事から、昭和63年(1988)8月26日に宮城県指定有形文化財(建造物)に指定され、平成27年(2015)に隣接する火の見櫓(大正15年:1926年建築、鉄骨造、高さ20.935m)が追加指定されています。現在は警察資料館として整備され多くの警察資料と共に内部が一般公開されています。
警察資料館:上空画像
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