岩沼市: 岩蔵寺

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概要・歴史・観光・見所

岩蔵寺(岩沼市)概要: 岩蔵寺は宮城県岩沼市志賀薬師に境内を構える天台宗の寺院です。岩蔵寺の創建は平安時代初期の貞観2年(860)に慈覚大師円仁が薬師如来像をこの場所に安置し開基したと伝えられています。

慈覚大師円仁は第3代天台座主、入唐八家として知られ、山寺立石寺(山形県山形市)や瑞巌寺(宮城県松島町)を開山したとの伝承から、東北地方では様々な伝説が残されています。

当地に伝わる伝説によると、円仁が薬師如来を安置し一宇を設けようとすると、女官が出現し我が所有する霊地である事から固く拒みました。すると円仁は十年で良いからと低姿勢で懇願し、どうにか証文を渡し岩蔵寺を創建する事が出来ました。

十年後、女官は約束通り霊地を返して欲しいと訪ねてくると、円仁は証文には十年とは書いないと土地を返すのを固く拒否。女官が改めて証文を読み返してみると十の上に点が打ってあり、円仁はこれは千年の約定であると声高に答えました。

すると女官は、あなた様は尊い仏に仕え高僧の呼び声高いお方なのに、人の道理に外れた事を平気でするとは何事だ、このような行為は仏が許しても、深山権現の化身である私(女官)は許す事は出来ません。と大きな声を上げると、大蛇に変化し円仁に襲い掛かりました。

円仁も法力で対抗し戦いは二夜三日続き、遂に大蛇が力尽きました。円仁は大蛇を大石に封印、その上に不動尊を建立し供養したと伝えられています。伝説の真偽は判りませんが、元々地元神として信仰の中心だった深山権現が仏教の普及により追いやられた事が伝説の題材になったかも知れません。

岩蔵寺境内の前には現在も山門ではなく鳥居があるなど神仏混合の形態が今も留め、石段も苔むし当時の雰囲気を感じる事が出来ます。本堂は三間四面の宝形造りで一間の向拝を持つ素朴な建物ですが、山深く佇む様は郷愁を誘います。

建物内部には本尊の薬師如来を中心として両脇に日光菩薩、月光菩薩が安置され、運慶が彫り込んだとされる木造十二神将、狩野法眼(鎌倉時代)が描いたとされる絵馬などが納められています。宗派:天台宗。本尊:薬師如来。

岩蔵寺:上空画像

【 参考:文献等 】
・ ふるさとの文化遺産-郷土資料辞典4[宮城県]-株式会社人文社

岩蔵寺:写真

岩蔵寺
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