双林寺(杉薬師)概要: 医王山双林寺は宮城県栗原市築館薬師台に境内を構える曹洞宗の寺院です。双林寺の創建は天平4年(760)に孝謙天皇が開創されたと言われています。言い伝えでは孝謙天皇が重病となり、易学で占った所、奥州にある丈10の大木が災いの元であるとの事、早速奥州のこの地に参り、昼でも周囲が暗くなる大木を見つけ伐採したところ、たちまち天皇の病気が完治したそうです。
天皇はこの地を霊地と定め、堂宇を建立し、勅願霊場としました。その後天台宗比叡山延暦寺の末寺醫導山興福寺と称し、48坊からなる大寺院となりました。中世に入ると度々火災や兵火に見舞われて一堂を残し衰退していきましたが、天正19年(1591)に伊達家によって再興され、曹洞宗へ改宗開山し、双林寺と名前も改めました。
双林寺境内にある薬師瑠璃殿は、「お薬師様」「杉薬師様」と呼ばれ、案内板によると「寛政年間(1791〜1798)の建築と考えられ、石越生まれの棟梁菅原卯八師によって造られた蛙股造り三間四面の堂で釘をつかわず、くさびでしめて建てられています。以前は、屋根が萱葺でしたが、現在は銅板にふかれています。」とあります。
双林寺薬師瑠璃殿は江戸時代後期の御堂建築の遺構として貴重な事から昭和39年(1964)8月24日に栗原市(旧築館町)指定文化財に指定されています。
双林寺寺宝に、木造薬師如来坐像(平安時代中期作、ケヤキ材、一木造、像高121.2cm:国重要文化財)、木造増長天立像(平安時代作、ケヤキ材、一木造、像高119.4cm:国重要文化財)、木造持国天立像(平安時代作、ケヤキ材、一木造、像高119.4cm:国重要文化財)、木造地蔵菩薩立像 (平安時代作、ケヤキ材、一木造、像高166.7cm:宮城県指定文化財)、銅造阿弥陀如来立像(鎌倉時代作、像高48.8cm:宮城県指定文化財)などがあります。
又、境内に生える「姥杉」は推定樹齢千二百年、樹高34m、幹周10m、昭和30年(1955)3月25日に宮城県指定天然記念物に指定されています。
北国八十八ヶ所霊場第12番札所。山号:医王山。宗派:曹洞宗。本尊:聖観音菩薩。
双林寺:上空画像
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