安国寺(大崎市)概要: 案内板によると「安国寺は、興国6年(1345)足利尊氏が元寇の役以来の戦死者の菩提を弔うため、綸旨を奉じて一国一寺の建立を企画したもので、東北では本市と福島県に設けられた。
その後、寺院は野火により灰燼に帰したが本尊阿弥陀如来像は災害をまぬがれてきた。現在の建物は宝暦10年(1760)当時、11世虎渓和尚の造営になるもので、ことに庫院は江戸中期の書院造として庭園とともに貴重なものである。本尊の制作年代は不明だが、運慶の流れをくむ仏師の作と見られる秀作である。
昭和36年宮城県の文化財に指定された。なお、安国寺が、中世奥州探題大崎氏の本拠地である名生城の至近地に所在することは寺院の建立が軍事的、政治的にも重要な意味をもっていたことを示すものと考えられる。」とあります。
興聖山安国寺の本尊である木造阿弥陀如来座像は南北朝時代に運慶末流と思われる仏師が彫刻したと推定される古仏で、桧材、寄木造、像高69.7cm、漆箔仕上げ、玉眼。仏殿は宝形造、鉄板葺、桁行3間、梁間3間、正面1間向拝付、外壁は真壁造り、白漆喰仕上げ。庫院は寄棟、鉄板葺、平入、玄関部入母屋屋根、外壁は真壁造り、白漆喰仕上げ、腰壁は下見板張り縦押縁押え。宗派:宗派臨済宗妙心寺派。本尊:阿弥陀如来。
※案内板では東北地方の安国寺は当寺と福島県に設けられたと記載されていますが、陸奥国(福島県・宮城県・岩手県・青森県)は当寺、出羽国(秋田県・山形県)は山形県東村山郡山辺町に境内を構える太平山安国寺(曹洞宗)とされます。
安国寺:上空画像
【 参考:文献等 】
・ ふるさとの文化遺産-郷土資料辞典4[宮城県]-株式会社人文社
・ 現地案内板-古川市・古川市観光協会
・ 現地案内板
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